サービス内容

サンビーム シッピング(株)は創立時より船舶(中古船並びに新造船)の売買並びに傭船仲介を主たる業務とし、船舶所有、解体船の事業などを行って参りました。 その後新造船と長期傭船を組み合わせたプロジェクト物の仲介に軸足を移し契約後の運行管理船も着実に増加しております。 又、タンカーのスポット(短期)傭船仲介も行っており現在、傭船活動はタンカー中心ですがバルカー(乾貨物船)の長期傭船も進めております。

サービス内容

シップブローカーとは

シップブローカーとは

シップブローカーという言葉を我々の場合は”希望の架け橋“と表現します。(Bridging the Hope)
国内外の有力な船主及び用船者、バイヤーのために希望に副った案件を探し条件が合えば仲介し、貸し船或いは売買のお手伝いをさせて頂くといった意味合いです。 国際間の用船並びに売買の商談は規模が大きく成約は簡単ではありませんが、タイミング良くお客様に好結果が得られれば我々も満足感を共有できることになります。 又、石油精製関係の荷主さんと運送すべき船を提供する船主さんを結ぶ仲介の仕事もあります。





【タンカー市況 2017年10月 】


世界の標準は「ブレント原油」である。WTI原油はあくまで米国内のドメスティックな価格指標であり、 むしろ先物市場のベンチマークという意味合いが強くなっている。一方、 ブレント原油はOPEC(石油輸出国機構)加盟国・非加盟国の協調減産合意の効果が直接的に反映されるため、価格水準はWTI原油よりも高く、また上昇基調が鮮明だ。2017年9月25日のブレント原油は先物市場で一時58.37ドルまで上昇、2015年7月以来の高値をつけた。きわめて強い相場展開に移行するような動きになるかは、やはりOPEC加盟国とロシアなどの非加盟国の今後の産油政策次第ということになる。 9月22日にはウィーンで合同閣僚監視委員会が開催されたが、注目が集まっていた来年3月末に期限を迎える協調減産の延長については、原油相場が最近50ドル台を維持していることから、延長の勧告が見送られた。 またロシアのアレクサンドル・ノバク・エネルギー相は会合終了後、「減産を延長するかどうかについて、来年1月までは決定しない」との見通しを示している。ロシアは減産拡大には消極的とみられているが、需給均衡に対する市場の期待は依然として高いといえる。一方、会合では、世界的な原油在庫が低下するなど減産の効果が表れているとの認識が示された。経済協力開発機構(OECD)加盟国の在庫水準が5年平均と比較した超過幅が1月の3億4000万バレルから8月は1億7000万バレルにまで劇的に低下したとされており、減産効果は鮮明である。

2017年上半期の米国からの原油輸出が前年同期比日量30万バレル以上増加し、+57%増となっている。石油製品の輸出も伸びている。原油とプロパンの輸出は日量90万バレル増加し、留出油の増加は+130万バレル増加しそれぞれ過去最高となっている。ガソリンは、2017年上半期は米国内の需要も堅調であったが、輸出は75万6千バレルと前年同期比+3%増となった。プロパンの輸出量は過去最高の日量91万3千バレルに上った。これは前年同期比+79万バレル増である。主にアジア市場向けで増加分の74%を占めている。2015年と16年のプロパン輸出能力増強の前はインフラ整備が付いてこなかった。インフラの整備によりプロパン輸出が増加できるようになっている。またフレイトも安かったことも利点となっている。欧州とアジア市場のプロパン価格が米国より高かったことも一因である。アジアのプレミアムは24セント/ガロン、欧州は12セント/ガロンであった。2014年以来、輸出インフラの整備により米国からのプロパンの輸出は伸びている。また、米国から大量のプロパンが輸出されて、国際価格はアジアでも欧州でもプレミアムが低下している。それでも他の市場よりも高いプレミアムにより、 米国のアジアに占めるシェアは52%(日量47万3千バレル)となっている。

米国の原油在庫が減少したのを受けて原油価格は上昇した。米国の原油輸出や石油製品輸出が好調で、米国の石油企業も資金繰りは楽になっているようである。以前シェール革命が喧伝されたとき、米国は将来石油大国になるとそれまでの金融危機による疲弊を覆す見方が出たが、いよいよそれが現実になりつつある。原油価格は当面安定的に動くものと思われ、それほど高くはならなくとも、急落もないだろう。米石油サービス会社ベーカー・ヒューズが発表した2017年9月29日までの1週間の国内石油掘削リグ稼働数は前週比6基増加し、8月中旬以来7週間ぶりに増加に転じた。稼働数は750基で、前年の425基を上回った。 一方、 米石油掘削リグ稼働数は9月月間では9基減少し、2016年5月以降で初めて2カ月連続で減少した。第3・四半期は6基減となり、四半期ベースでは2016年第2・四半期以来のマイナスだった。一部の採鉱・生産(E&P)会社は今年の投資を抑制しているが、前年との比較では投資拡大を予定している。石油と天然ガス掘削リグ稼働数の2017年は平均973基、2018年は1004基、2019年は1084基と予想。

石油化学市場が本格的な価格競争時代に突入しつつある。 米化学大手、 ダウ ・ ケミカルは2017年9月、安価なシェールガス由来の石化生産を開始。石化市場で従来のナフサ(粗製ガソリン)由来と並び、シェールガス由来の製品が本格的に供給される。 プラスチック基礎原料エチレンの生産で、主原料にシェールガスから採取されるエタンガスを活用した年150万トンの新工場を稼働。日本の年間エチレン生産量の4分の1にあたる。これを皮切りに、ほかの企業も今後、北米で100万トン規模の工場稼働を相次ぎ計画している。 現在、エチレンはナフサを原料に使うのが主流。エチレンの世界生産量約1億7000万トンの6割がナフサからで、2割がエタンガスを原料に使う。ただ、エタンガス由来の生産が増えれば、この構図が大きく変わる可能性がある。日本国内の石化製品の市況にも大きな影響を与える。国内で取引される石化製品の価格は、ナフサ価格に連動して決めるのが一般的だ。ただ、エタンガス由来のエチレン生産が増えれば、ナフサが余るのは確実視されており、ナフサ安を通じて国内の石油価格に下押し圧力がかかるからだ。エタンガス由来のエチレンはナフサ由来よりもただでさえ割安。国内石化各社は日本ではエタンガスからエチレンを生産する設備を持たない。需要が縮小傾向にある国内市場でガス原料の新設備を造るのは費用対効果が合わないからだ。

中国の2016年1月~12月の原油輸入量は前年同期比13.6%増の3億8101万トンに増加し、過去最高だった前年実績を4551万トン上回った。民間の中小製油所による調達が活発だった。17年1月の原油輸入量は前年同月比27.5%増の3403万トンで、 12カ月連続で前年同月を上回った。2月は同比0.1%減の3178万トンにとどまり、13カ月ぶりに前年同月を下回った。3月は同比19.4%増の3895万トンとなり、 単月ベースの過去最高を更新した。 4月は同比5.6%増の3439万トン、5月は同比15.4%増の3720万トンで過去2番目の輸入量を記録した。 6月は同比17.9%増の3611万トンとなり実需の伸びに加え、備蓄用の需要が押し上げ要因となった。7月は同期比12%増の3474万トン、8月は同期比3.4%増の3398万トン、 9月は同期比1.9%増の3701万トンで、7か月連続で前年同期比を上回った。1月~9月累計では前年同期比12.2%増の3億1806万トンとなり、年率換算では4億2000万トン強で前年実績の3億8101万トンを上回る見通し。

2016年10月の中東積み日本向けVLCC運賃平均はWS59.3。夏場まで原油産出が落ち込んでいたナイジェリアは武装勢力による原油パイプラインの破壊攻撃がひとまず落ち着き、油田で生産が回復。西アフリカからのタンカー需要が急速に拡大した。更に備蓄を拡大する中国向けを中心に中東からの需要も堅調となり船が相次ぎ手配された。中東/極東間で一時WS70に迫り、1カ月足らずで2倍に急騰し、11月はWS67.5.に更に上昇した。2016年9月28日にOPECは8年ぶりに減産で合意した。具体的な生産枠の決定は11月末まで先送りされ、減産決定前に産油国が増産をし、冬場需要期を迎えた秋口以降の運賃は上昇基調となった。 西アフリカ積みの遠距離トレードも堅調でスポット船需給がタイトとなり12月の中東積み日本向けVLCC運賃はWS90まで上昇、12月の平均はWS81.6。冬場のエネルギー需要に加えて、17年1月開始のOPEC減産の前にサウジアラビアなどが出荷量を高めたことと、減産による原油価格上昇を見越した洋上備蓄タンカーが増加した模様。 16年 1~12月期の中東積み日本向けVLCCのスポット運賃市況は平均WS58.6。

原油の減産を控えて16年末に高まった船の手当てが一服し、2017年は供給過剰感となった。WSは90超だった年明けから急ピッチで値下がりし、 一時、 16年11月初め以来の安値水準となった。OPECは16年11月末、8年ぶりに減産を決めた。 12月10日にはロシアなど非加盟国とも減産で合意した。中国やインドといった消費国が原油の購入を急いだため、生産絞り込みが本格化する前の中東から活発な輸出があったが、駆け込み的な調達は一巡した。中東積み日本向けVLCCのスポット運賃1月は4万ドル台と推移し、旧正月の休暇中は一時2万ドル台に低下したものの、2月上旬の旧正月明けには2万ドル超に復帰し、その後は徐々に軟化し、3月は2万ドル台前半で推移した。 例年、冬場の需要期を過ぎるこの時期は市況が軟化する傾向にある。春は極東の製油所のメンテナンス期間に入り、夏が過ぎるまで低調な市況となるのが通常の流れ。3月中旬には2万ドル割れとなり、1カ月で4割下落した。中東市場の余剰フリー船が増加し、OPEC減産のマイナス影響が出た。3月下旬にはWS45、日建て用船料換算で1万5000ドル程度となった。4月に入りマーケットは反発した、 3月下旬から3割以上高い。 西アフリカの産油国からの荷動きが活発になり、下落傾向に歯止めがかかった。WS57前後、今年1月からの減産などで輸送需要が落ち込み、WSは3月下旬に40近くまで落ち込んでいた。減産対象に含まれないナイジェリアなどが原油を積極的に輸出した。原油需要の旺盛な中国やインド向けを中心に西アフリカ発の運賃が上昇。輸送距離の長い西アフリカ航路にタンカーが集まり、中東発の運賃の反発につながった。春先までの運賃下落で、多くのVLCCが運航スピードを落とす減速航海を実施したもよう。採算悪化を防ぐため燃費を抑制することが狙い。これにより航海日数が増え、船腹の過剰感も後退した。

2017年4月の中東積み日本向けVLCC運賃平均はWS64、年明けから3月にかけて続落し、4月に一時持ち直したものの、5月平均がWS55.6、6月はWS51.5となり5月、6月は低調だった。季節的な要因もあり、4月下旬の高値に比べて3割以上安い。日建て用船料換算で1万8000ドル程度と、損益分岐点の半分に低迷している。2016年末時点で約680隻が稼働していたVLCCは今年、さらに40隻前後が就航するとされている。隻数の増加で需給ギャップが広がっている、特に中東市場の余剰フリー船の増加が目立っているという。WS60台後半とされる採算ラインを下回る状態が続く。新造船の供給圧力が強い上、原油安でタンカーの確保を急ぐ動きもなく、原油価格が上昇する見方は少なく、中国やインドの旺盛な原油輸入は続いているものの、輸送量が増える秋口までは運賃は低迷。7月の中東積み日本向けVLCC運賃平均はWS51.3、8月はWS40.8と今年の平均を押し下げた。9月はWS43.3、今年は1~2月は堅調だったが、その後下落し、8~9月の低迷が平均値を押し下げ、1月~9月の中東積み日本向けのVLCCスポット運賃平均はWS58.33。 ただし、足元の市況は回復基調にある。







  

【バルカー市況 2017年10月】


バルカー海上輸送の需要は、中国や新興国のインフラ投資増などを背景に17年は底堅く推移するとの見方が多い。主要貨物の原料炭の荷動きについて17年は、2%増の2億7100万トンと予測され、粗鋼生産が伸びるインドの輸入が押し上げる。鉄鉱石も14億トン強を維持する見通し。オーストラリア産やブラジル産は高品位で粗鋼の生成効率がよく、中国の輸入は増加すると予測される。17年の中国の鉄鉱石輸入量1月は前年同月比12%増の9200万トン、14カ月ぶりに前年実績を下回った前月から一転再び前年を上回り、9000万トン台を回復した。2月は同比13.4%増の8349万トン、3月は同比11.4%増の9556万トンとなり、過去2番目の輸入量を記録した。4月は同比2%減の8223万トンにとどまり、4か月ぶりに前年を下回った。5月は同比5.5%増の9152万トン、2か月ぶりに前年を上回った。6月は同比16%増の9470万トンとなり、2か月連続で9000万トン超を記録した。7月は同比2%減の8625万トンと小幅に減少、前年比マイナスは到着時期のズレによるもの。8月は同比1.1%増の8866万トン。9月は同比11%増の1億283万トンとなり、月間では初めて1億トンを突破し、過去最高となった。冬場の鉄鋼メーカーに対する操業制限をにらみ、在庫を積み増すために前倒しで原料消費が進んだことが、原料輸入を押し上げた模様。1月~9月累計では前年同期比7%増の8億1672万トンとなり、年率換算では約10億9000万トン、前年実績の10億2470万トンを上回る見通し。中国ではインフラ整備や自動車など向けの鋼材需要が旺盛で、鋼材価格も底堅く推移、冬場を前に鋼材の在庫を積み増す動きが顕在化。ケープサイズ市況は、今夏は夏枯れすることなく堅調に推移、 旺盛な鉄鉱石輸入が船腹需要をけん引した模様。

ケープサイズ市況は17年2月半ばに一時5000ドルを割り込んだが、その後は回復基調で推移し、3月から騰勢が強まった。これまで上昇を牽引してきたのは、鉄鉱石トレードが好調な西豪州発中国向けを中心とする太平洋水域だったが、3月中旬に大西洋水域の市況が上げ足を速め、太平洋の水準に追いついてきた。大西洋水域の市況上昇は、これまで出荷が低調だったブラジル出し鉄鉱石の荷動きが活発化してきたことが主因。 南アフリカからの出荷増もあり、大西洋水域の船腹需給のタイト感が強まった。もともと西豪州発中国向けの鉄鉱石の出荷量が高水準で推移していた。これを受け、3月前半は太平洋水域の市況上昇が全体を牽引した。これに伴い太平洋水域に向かう船舶が増え、大西洋水域の船舶が減っていたところに、低調だったブラジル出し鉄鉱石の出荷も活発化。これにより3月半ばから大西洋の市況も上げ足を速め、両水域で上昇局面が続いた。ブラジル資源大手ヴァーレは1月から同国北部カラジャス鉄鉱山の増産プロジェクト「S11D」が商業運用を開始。主要積み出し港ポンタ・デ・マディラは高水準の出荷が続いた。最大の輸出先の中国も旺盛な鉄鉱石調達の勢いを維持し、カーゴの需要と供給の伸びがかみ合った。中国は鉄道や道路といったインフラ整備向けや自動車生産向けなどの鉄鋼需要は伸びているとみられ、鉄鋼生産も底堅く、オーストラリアやブラジルからの鉄鉱石輸入の動きは活発となった。

今年のケープサイズ市況は、 3月初めから西豪州発中国向けの鉄鉱石トレードが活発化したことに加え、1年物期間用船の成約水準とFFAが上昇し始めたことで、先行指標に鞘寄せする形で反発。荷動きが旺盛な太平洋水域が牽引し、1万ドル超上げた。FFAとともにスポット用船料の先行指標となる1年物の期間用船契約は、3月28日付レポートで穀物メジャーのカーギルが16年建造の18万重量トン型船で期間1年・日建て用船料1万9000ドルの定期用船契約を決めたことが表面化した。4月10日付では2万ドル超も表面化し、 先高観の強さを窺がわせる展開が続いた。これまで低調だったブラジル出し鉄鉱石の出荷も本格化した。これに伴い、大西洋とクロストレードの市況も上げ足を速めた。資源メジャーらは例年、鉄鉱石トレードの閑散期である1~2月に複数船社とCOA(数量輸送契約)を結び、需要期に向けて一定量の船腹を確保しておくケースが多い。だが今年は、同時期にケープサイズ市況が下落局面から一気に上昇に転じたため、ヴァーレがCOAを決め切れないまま本格的な出荷を続けていた。ケープサイズ市況は国慶節が明けて本格的な需要期に入り、足元のドライ市況は需要期に入り全面高の展開となっている。ケープサイズ市況は14年11月以来の高値の更新や中小型船のパナマックス、スープラマックス、ハンディサイズそろって続伸、上昇傾向が鮮明になっている。中小型バルカー市況を押し上げている共通の要因は、出荷シーズンに入った北米出しの新穀。大豆、トウモロコシがパナマックス、ハンディマックスで、小麦、米がハンディサイズで輸送されるケースが多く、本格化してきた。米国から中国への大豆輸出、 ブラジル産トウモロコシの東南アジアや中東向け出荷も増えており、積み地が分散しているため船の不足感が強まっている。

中国では、鋼材価格の上昇を背景に輸入が増加し、4月には港湾在庫は過去最高の1億3000万トン超まで膨れあがった。 鋼材は値下がりし、 鉄鉱石輸入が今後鈍るとの見方から安値での輸送契約が増えた。 昨年までの海上運賃の記録的な低水準で就航を先延ばしにしていた新造船が、運賃の持ち直しで今年に入って稼働を始めた。廃船にする動きも鈍くなり、供給過剰感が依然として残った。 ケープサイズ市況は3月末に2万ドルを突破してから下落基調となり、7000ドル台まで下げた後、一時9500ドル弱まで戻したが、6月末から再び続落した。鉄鉱石のスポット価格が2月から5割近く下げたことから、中国側のトレーダーの購買意欲が減退し荷動きが鈍化傾向となった。鉄鉱石の荷動きについては、スポット価格の上昇局面では投機筋の買いが旺盛に入り出荷が活発化するが、価格が下げに転じると出荷も急減速する。この荷動きの波動がドライ市況を上下動させているとみられる。投機筋は中国の鉄鉱石の実需は今年も底堅いため、市況は遠くない将来上向くだろうとの見方を示していた。中国の鋼材需要を巡っては、自動車市場はやや減速しているが、インフラ整備など向けの需要は引き続き高水準を保っている。環境問題や生産効率の観点から、高品位の輸入鉱石の需要も底堅い。実需は堅調だが、投機筋の一時的な輸入意欲の減退などが市況の押し下げ要因となっていたが、下げ足も鈍り反発した。 中国政府は6月まで粗悪な鋼材の生産停止を推し進めていたため、 建築用の形鋼や鋼板で特に品薄感が強かった。政府による景気刺激策の効果もあり、マンションをはじめ不動産開発の動きは活発化している。ケープサイズ市況の見通しは、太平洋・大西洋の両水域で市況が上昇する好循環に入る強気な声が多い。 懸念材料は中国の冬の大気汚染対策として鉄鋼メーカーが徐々に減産を始めており、鉄鉱石需要が冷え込むとの見方も多い。





  

              

【造船市況 2017年10月 】

    

国際海事機関(IMO)が策定した船の硫黄酸化物(SOx)規制。2020年1月から船の燃料油に含まれる硫黄分を現行の3.5%以下から0.5%以下に減らすことを定めた。世界中の一般海域を航行する全ての船舶が対象となる。新規制の対応方法は主に3つある。硫黄分の含有量が低い重油や軽油を燃料として使うか、「スクラバー」と呼ばれる排ガス洗浄装置の取り付け、液化天然ガス(LNG)や液化石油ガス(LPG)など代替燃料の使用だ。低硫黄燃料を使えば、船の改修費はかからないが、現在のC重油よりも割高で運航コストが跳ね上がる。スクラバーは機器が大きく、スペースの問題から設置が難しい船種がある。 SOx排出量は抑えられるが、将来的に規制強化が予想される二酸化炭素(CO2)など温暖化ガスの削減には効果がない。LNGなどの代替燃料は温暖化ガス削減にも効果がある半面、新たに船を造り直す必要があるため、設備投資がかさむ。船の排出ガス規制の主な3つの対応方法。【硫黄分が少ない重油燃料の使用】船の新造船・改修費がかからない。既存重油より価格が約5割高い。新たに供給網の整備が必要。【船にスクラバー(排ガス洗浄装置)設置】既存の石油燃料をそのまま使える。新造船より設置コストが割安。装置自体が大きく場所を取る。温暖化ガス排出削減には効果がない。【液化天然ガス(LNG)など次世代燃料の使用】割安なLNG燃料を使える。温暖化ガス排出量も削減。新造船が必要で設備投資がかさむ。新たに供給網整備が必要。

船の燃料は現在、 「C重油」 と呼ばれる硫黄酸化物(SOx)の含有量が多い油が使われている。国際海事機関(IMO)は昨年、すべての船を対象に、20年から排出ガスに含まれるSOxを現在の7分の1以下に規制することを決めた。LNG燃料船は欧州・北米の一部を中心に約100隻が航行している。ただ、短距離ルートのフェリーや客船に限られ、 車運搬船や貨物船、 タンカーなど100総トン超の商船約十数万隻は新規制への対応を迫られている。LNG燃料船の建造コストは既存船と比べ、1隻あたり十数億円ほど割高なほか、LNGの貯蔵タンクなどインフラ投資も必要なため、次世代船への切り替えは進んでいない。LNGは重油に比べ燃料タンクが大型で貨物や客室スペースを圧迫するほか、機関部の製造コストが高く従来船より2〜3割費用がかかるなどの課題も残る。受注低迷に苦しむ造船各社にとって、 環境規制強化に伴う液化天然ガス(LNG)燃料船の切り替え需要は一大商機になる。コンテナ船やばら積み船の分野では低価格で大量建造する韓国、中国勢が世界シェア7割を押さえ、 日本勢は2割前後にとどまる。しかし、構造が複雑なLNG燃料船は日本勢が得意としており、技術力で劣る韓国・中国勢より先行している。かつては日本企業しか造れなかったガス運搬船も、今では韓国勢が強みを持つ。海外勢が簡単にはまねできないLNG燃料船が増えれば、日本企業への注文が戻り、シェア回復につながる。

≪新造船価格≫
新造船価相場は今年に入ってからバルカーが底値を打ったが、上昇の足取りは鈍化している。手持ち工事不足が深刻化する中国や韓国造船所による受注攻勢も上昇の重しとなっている。船価相場の先行きは不透明な情勢だ。下落基調は落ち着きを見せ始めているが、安値受注が横行する中、再び下落基調が加速する懸念もありそうだ。マーケットの低迷に加え、規制対応機器の搭載など造船所のコストの大部分を占める調達の部分で、コスト上昇が不可避な状況だ。NOx(窒素酸化物)3次規制対応に伴うSCR(脱硝装置)やEGR(排ガス再循環装置)の搭載コストの増加に加え、SOx(硫黄酸化物)規制対応は対応策が定まっておらず、 コストが読めない。さらに足元では鋼材価格の上昇が造船所の採算を圧迫しており、2~3年後の鋼材価格動向にも不透明感が増している。中国や韓国造船所が手持ち工事確保のために安値受注しても、結局は政府などの支援なしでは立ち行かなくなる見込みだ。 船価上昇には時間がかかるとの見方も多い。新造船価の上昇には、用船市況の動向がカギとなりそうだ。

バルカーの新造船価の相場はケープサイズが18万DWT型で4500万ドル(10年9月5800万ドル)、パナマックスは8万2000DWT型で2550万ドル(同3600万ドル)、ウルトラマックスは6万4000DWT型で2450万ドル(同3200万ドル)、ハンディサイズは3万7000DWT型で2150万ドル(同2600万ドル)。VLCC 32万DWT型の新造船価相場は、8100万ドル(10年9月1億600万ドル)、スエズマックス16万DWT型が5400万ドル(同6800万ドル)、アフラマックスは11万5000 DWT型が4400万ドル(同5800万ドル)、プロダクト船のMR型が5万6000DWT型で3400万ドル(同3700万ドル)。VLGCの船型8万2000㎥型が7000万ドル、LNG船の16万㎥型が1億8400万ドル。

≪新造リセール価格・中古船価格≫
中古船マーケットは、 VLCC(32万DWT型)の新造リセール価格の相場はVLCC が8200万ドル、船齢5年の31万DWT型は6200万ドル、船齢10年の30万DWT型は3800万ドル、船齢15年の30万DWT型は2150万ドル。スエズマックスは16万DWT型新造リセール価格が5500万ドル、中古船価は船齢5年の16万DWT型が4000万ドル、船齢10年の15万DWT型が2500万ドル。アフラマックスは11万5000 DWT型の新造リセール価格が4400万ドル、中古船価は船齢5年の11万DWT型が3050万ドル、船齢10年の10万5000DWT型が1950万ドル。プロダクト船MR型の5万2000DWT型新造リセール価格が3350万ドル、 中古船価は船齢 5年の5万2000DWT型が2400万ドル、船齢10年の4万5000DWT型が1650万ドル。

バルカー新造リセール価格の相場はケープサイズ18万DWT型が4600万ドル、パナマックスは8万2000DWT型が2900万ドル、ハンディマックスは6万2000DWT型が2750万ドル、ハンディサイズは3万7000 DWT型が2250万ドル。中古船価は、ケープサイズ船齢5年の18万DWT型が3400万ドル、船齢10年の17万DWT型が2150万ドル、 船齢15年の17万DWT型が1550万ドル、パナマックスス船齢5年の7万6000DWT型が2200万ドル、船齢10年の7万6000DWT型が1400万ドル、船齢15年の7万4000DWT型が950万ドル、ハンディマックス船齢5年の5万8000 DWT型が1750万ドル、船齢10年の5万5000DWT型が1300万ドル、船齢15年の5万2000DWT型が975万ドル、ハンディサイズ船齢5年の3万2000DWT型が1450万ドル、船齢10年は975万ドル、船齢15年は525万ドル。



 





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